幸せ物語 KANON



「ユキ,ちょっと待ってて」


「えっ,うん」


待ってて…って,
この3人に囲まれて!?


「圭太,いじめんなよっ」


「ういーすっ」


そう言い残して
隆司は奥へ行ってしまった。


(ちょ…ちょっと待ってえっ)


「なにユキちゃんって
いうの?」


圭太は興味津津,
といった感じで訊いてきた。


「ええっと…?」


「名字なんていうの?」


えっ,どうしよう。
名字…もウソついたほうが
いいよね?


「あ,旭日!
旭日 ユキっていうの」


「じゃあさ,いくつ?」


「17歳です」


「タメ口でいいよ…って
リュージ,高校生に
手ェ出してんの!?」


「えっ,いや…
別になにも……っ」


「ははっ,
そういうことじゃないよ」


…なんだ。
結構話しやすいじゃん。