幸せ物語 KANON



あたしは,とりあえず
家に帰ってから
新宿に向かった。


駅前は,大人のひとが
いっぱいいて,


あたし浮いてないかなぁ


なんて不安になった。


「花音っ!」


「りゅうっ…」


やばいやばいっ…。


"隆司"って言いそうに
なっちゃった。



「危ねぇなあ,もう」


「ご…ゴメン」


「ま,いっか。
じゃ,ついて来て」


隆司は,周りのひとを
気にもしないで
歩き出した。


どこに行くんだろ?


歩き出して10分くらい
たったトキ。


隆司がひとつのビルを
指差した。