「……あ……ごめん…」
私は相当マヌケ面を曝していたらしい。
一瞬の間の後、コータ君ははっとしたように謝るなり、気まずそうに顔を反らした。
途端にポキンと折れた私のココロ。
そ、そうよね……
私が1人で舞い上がってただけだよね……
“予約”されたぐらいで、
噂の人が母親だって聞いたぐらいで、
勝手に恋人気分になってたかも。
よく考えたら、お互い気持ちを確かめ合ったわけでもないのに……
私って……かなりイタイ奴じゃ?
自分のバカさ加減に気付いた瞬間、頭から湯気が立つほど恥ずかしくなった。
やだ…、何が初“おねだり”よ。
勘違い女もいいとこじゃんっ!!
「ははっ…あはははっ…
な、なーんちゃって。
今の本気にした? ごめん、ごめん。
いっつもからかわれてばかりだからさ、ちょっとした仕返しよ、仕返し」
「………」
あまりの恥ずかしさと虚しさに、私は無理矢理高笑いを撒き散らしながら、私の豹変に呆然としてるコータ君の下から抜け出した。
「じゃあね」
そしてそのまま帰ろうとしたんだけど、
「まだ話は終わってない!」
突然ぎゅっと抱きしめられた腰のせいで、私の体が前のめりになる。
「−−きゃっ!!」
倒れるーー!!!
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