「……うう〜ん…」
また唸ってるからといって、別に喉が渇いたわけじゃない。
というより、用意されていた朝食まで食べて、お腹までもが満杯に満たされてるし。
「まだ、質問ある?」
「いや…、だいたいは把握したんですが……」
「ですが、なに?」
さっき自分をコータと名乗った男は、そう言ってテーブルの向こうから艶っぽい視線を私に向けた。
………うぐぐぐ…
男のくせに私よりきめ細かい肌しやがって……
しかも、若い男の一人暮らしにはこの部屋広すぎだろ、おい……
「いえ、もう疑問はありません。
泥酔した私に無理矢理付き合わせたあげく、お家にまで泊めて頂いて本当にありがとうございました。
このご恩は一生忘れません。
ということで…」
相手に一分の隙も与えず一気にまくし立てると、そこで私は勢いよく立ち上がった。
それはもちろん、
「さよ〜なら〜」
逃げるためだったんだけど……
「待てよ!」
「うひゃ…!?」
呆気なく失敗。
………くっそぉ…
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