年上女ですが…それが何か???







もちろん電話の向こうからは香奈の鋭いツッコミが返って……






『……ぶっ…、何それ、超ウケるんですけどー!』






って、違うやないかーい!!






このキャピ声はまさしく、






「沙穂っ…!?」



『はいはーい。いつも元気な沙穂ちゃんですよー♪
っていうかぁ、何でへこんでんの〜?』






し、しまったぁぁあ!!!
よりによってコイツだったとはぁぁぁ!!!





一番弱みを握られたくない相手に、自ら自分が弱っていることを暴露ってしまったショックで、足元に転がっていたクッションに顔を埋めてむせび泣く私。






「シクシクシク…」



『おーい、もしもーし?
アキ姉、何いきなり嘘泣きしてんのよ〜』






……うっせぇ、小娘。
アンタにわかるか、歳老いていく者の悲しみが!






受話器から聞こえる無邪気な声が、さらにそんな私をブルーにさせた。






『ちょっとぉ、なんで何も言わないのよ〜?
もしもーし?おばちゃ…』



「黙れ、沙穂っ!
それ以上言ったら、そのキャピ声、二度と出せないようにしてやるからねっ!」






“おばちゃん”というキーワードにいきり立つ私を尻目に、電話の向こうからは『きゃあ♪それ、マジ怖いんですけどぉ』とケラケラ笑う声が聞こえた。







`