「うん……やっぱないわ……」
『何が?』
「私が年下に惚れるとか……」
『まだそんなこと言ってるよ……』
香奈にどんだけ呆れられようが、やっぱり前言撤回!
この私が年下に惑わされたなんて、一時の気の迷いよ。
だって年下ってだけで、皆が皆、生意気な龍生にかぶっちゃうんだもん。
失恋したてで優しくされたら、相手が例えオカマだろうが、ハゲ親父だろうが、きっと同じようにちょっぴりグラついたと思うしね………多分。
そうそう、そうよ。
一人納得して頷いていると、
『あのさ、明……』
「何?」
『今までアンタが年下を苦手としてきたのは知ってるけど、飲んでる時のアンタってさ……』
「な、何よ……?」
たっぷりと間を空けて話しだした香奈に、なんだかイヤな予感がして、私の喉がゴクリと音を立てた。
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