冷静に考えると、私は異常にコータ君を意識していると思う。
その証拠に、今だに思い出すだけでドキドキするし。
だけどその一方で、
いやいや、相手は所詮、行きずりのボンクラ大学生なんだから、この私がドキドキするとか気の迷いよ。
なんて、それを否定する私も居て。
いまいち自分の気持ちが掴めてない、ってのが今の正直な気持ちだったりする。
だから、別に報告することは何もないよって言おうとしたのに、受話器から聞こえてきたのは、
『くくくっ… その様子じゃ、よっぽど熱い夜を過ごしたみたいね?』
私をさらに煽るような香奈の笑い声で。
「だっ!?んなわけあるかっー!」
すぐさま力一杯それを否定したんだけど。
ホントは“熱い夜”ってフレーズに、頭の中が沸騰するほど動揺していた。
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