そう言い返したい気持ちをぐっと堪え、
「確かに迷惑な奴だったと反省してます。ごめんなさい」
私が再び謝ると、なぜか香奈は無言になってしまった。
『………』
………なによ、なによ、この間は……
まだ私なんかしたの……?
次は何を言われるのかとちょっぴりビクビクしながら待っていると、再び大げさなため息を吐き出した香奈は、
『今回はアンタの失恋に免じて許してやるか……』
やれやれって感じで言った。
ったく… むやみに驚かすなっつうの…
「……はは、どうもあり」
『ただし、その大学生と何があったか、きちんと教えてくれたらね』
ほっとしたのもつかの間、またもや私の言葉を遮った香奈が、電話の向こうでニヤリと笑った気配がする。
私はというと、突然振られたコータ君の話に、かなり狼狽えてしまって、
「いや、あの、その…」
咄嗟の返しも出来ない。
そして頭に浮かぶのは、艶やかなコータ君の笑顔ばかり。
キュン キュンキュン−−
っつうか、私はどんだけあの子にやられてんだーー!!!
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