「心結先輩……」



俯いていた麻友ちゃんが顔をあげた。


「見られちゃいましたか」



ニコッと笑う

あれ

泣いてない。



「……別れたって芯君に聞いたよ」



屋上に場所をうつしたあたし達



「はい」

「どうして?」

「よく……わかんないんです」



さっきまで気丈に振る舞っていた麻友ちゃんが涙目になる。



「あたし中学のときからずっといじめられてたんです」

「………。」


うーん

突然の告白
カミングアウト



「この胸がコンプレックスだったの。男の人はみんな下心があるようにしか見えなくて、人間不信になってたんです」

「……麻友ちゃん」


いつもニコニコしてたから気付かなかった。



「でも……クロは違った」

「え?」

「はじめてあたしをあたしとして見てくれる大切な人だった。クロの隣が唯一、あたしの居場所だったのに」



とうとう泣き出してしまった。



「陰口言われたっていじめられたっていいのに……クロがいてくれれば……よかったのにぃ」

「麻友ちゃん」



さっきの芯君の顔を思い出す。


超つらそうだったじゃんよ。

あいつ何考えてんだか…