ダメだ…
もうダメだ……
あたしもう説得に行けないよ。
「仕方ないよ 心結」
「うぅ……」
「サッカー部みんな心結が好きだよ。気付いてなかったと思うけど」
こんなときに人生最大のモテ期かい。
「部員との距離が近いからそういう対象になりやすいんだよ。ましてあたしが隣にいると心結は完璧に仕事こなしてるわけだし」
「灯璃ぃー!」
でもみんなは言い過ぎだと思うよ。
「それに心結、あたしと違ってフリーだしね」
「あぁ……」
「部員同士それなりにわかってて、お互いの出方とかタイミング伺ってて、告白しないのは暗黙の了解だったんだよ」
うそだ~
誰もそんな素振り見せたことなかったし
「そこにだ!!結城君みたいなのがやってきて、心結をかっさらっていきましたとさ」
「………。」
「やっぱむかつくでしょ~」
まぁ
部員の何人かがあたしのこと好きだった場合はね?
でも違うでしょ。
お決まりの妄想
灯璃の後付けに決まってる。
「……とりあえずもう要君を説得できない」
要君はあたしを好きなわけだから
翼君のため!!……とか禁句だし、逆効果じゃんか。



