部活休むのっていつぶりだろ……

だるいし

家に帰る気にもなれなくてあたしは屋上にいた。

最終下校時刻過ぎてるなぁ…

生徒たちの声が次第になくなっていく。

校舎閉められる前に出なきゃ…

重たい身体を起こして階段へ向かう。




「心結先輩」



昇降口

なんでよりによって1番会いたくない翼君がいるんだよ。



「先輩……」

「来ないで」



颯斗にでも聞いたんでしょ?




「何も聞きたくない」





「好きです」



気付いたときには翼君の腕の中にいて、あたしは身動きがとれないでいた。




「離して」

「嫌です」

「誰にでもこういうことするんでしょ?」

「先輩……聞いてください」

「からかうのもいい加減にしてよ」


「聞けよ」




翼君が初めてあたしに対して苛立ちを見せた。


「……。」


何も言えないあたし


それから瑞希ちゃんのことを全部話してくれた。




「だから本当に俺には心結先輩しかいないんだってば」

「………。」

「わかってくれた?」



なんか

勝手に誤解して
イラついて怒って


あたし小さい人間じゃん?