「大切なこと…」



サッカーより大切な何があるの?



「要するにだ。俺様が思うにポチは生半可な気持ちでお前にちょっかいかけてきてるんじゃねーよ」

「………。」

藍田先生にやけすぎです。

説得力のカケラもないって!!


「そんなのあたしとは限らないじゃん」

「は?」

「他の理由かもしれないじゃん」

「………。」

「じゃあ失礼します」



なんか時間を損した気分


「おい 心結」

「何?」


語尾に苛立ちがこんにちはする。


「お前さ、もう1つ大事なことに気づいてねぇよ」

「翼君のことならもういいってば」

「ポチじゃねーよ」

「じゃあ何?」

「それは自分で考えやがれ」

「失礼しますっ」



教えてくんないんだったら呼び止めんなよ!!


あたしは職員室の扉を思い切りしめた。



「……はぁ」


仮に仮にね?

翼君が本気だったとするね

本気だったとする……

今更どう向き合ったらいいのかわかんないよ。



罪悪感とかあるし

気持ちのないキスで、あたし追いかけてスカウト断って、人生まで変えちゃったわけだし。