部員より多いじゃん…
「なんかみんな動機が不純そうだよな」
「みんな俺狙いか~可愛いやつらだ」
だまれ不良教師
「心結はどう思う?」
「どう…って」
そりゃ仕事が減るなら助かるし
あたしが引退したあとの引き継ぎお願いしたいけど
42人もいらね~
「1人でいいと思う」
灯璃は頭数に数えませんので
藍田先生が顧問するなら
実質1人でなんとかなるし
「問題は……」
「うーん」
どうやって選ぶかだよね~
あたしと颯斗は大量の紙を見つめて
それから
フェンス越しに練習を見ている女の子たちを見つめる。
どうみても翼君目当てだもん……
頭数が増えるだけで仕事の引き継ぎできなそうだし
楽にならなそう。
「やっぱりマネージャー経験者がいいんじゃないかな?」
あたしが言うと颯斗が同意してくれた。
「俺に任せろ」
突然
藍田先生が颯斗の手から入部届をぶん取る。
「要するにだな、経験者で子犬男子狙いじゃねーやつ探しゃあいいんだろ?」
「……はい」
「任せろい☆」
アグレッシブな人だよなぁ
本当に
疾風のごとく去って行った藍田先生の後ろ姿を見ながら思う。



