午後8時50分。 横断歩道にはまだアイツの姿は無い。 どうしたんだ…? まだ約束の時間では無いのに、心配している自分がいる… 桜の花びらが、夜風に身を任せて舞い散っている。 春と言っても、夜風はまだ冷たい。 取り敢えずコンビニの中に入ることにした。 アイツが来たら直ぐに気付けるように、雑誌コーナーに足を進める。 目についた兄貴が表紙の雑誌を手に取ってめくると、兄貴の笑顔とインタビュー。