「星治が・・・病院に運ばれたの」



・・・え?

星治の母親からの突然な電話に、あたしは携帯を落としそうになった。



「乗り慣れないバイクなんかに乗って・・・相当急いでたらしいの。それで・・・飲酒運転の大型トラックにはねられて・・・。」



嘘・・・でしょ?

星治が、交通事故なんて・・・。




「とにかく、宙花ちゃんにも来て欲しいの。もしこれが最後だったら・・・星治、きっと最後は貴女が側にいて欲しいと思うから。なるべく早めに、お願いね。」



電話が途切れ、ツーツーという音があたしの耳に響いてきた。



最後?

それって・・・死んじゃうかもしれないって事?



そんなの嫌・・・。

星治がいなくなっちゃうなんて、考えられないよ・・・!





あたしは、親の車に乗せてもらい、星治のいる中央病院へ向かった。


お願い、無事でいて・・・。



「星治っ!!」

あたしは星治の病室のドアを勢い良く開ける。



彼は・・・頭に包帯を巻かれ、白いベッドに寝かされていた。



「星治、どうして・・・ごめんね・・・あたしの、せいで・・・」



あたしが悪いんだ。

あの時「今日は特別な日だから」なんて・・・メールなんて、したから。



「逝ったりしないでよ・・・?逝っちゃ、やだ・・・!」
「宙花ちゃんは何も悪くないから。ね?だから、落ち着いて。」
「星治?何で返事してくれないの?星治、星治・・・起きて!?星治っ!!」



いつもみたいに笑ってよ。

ねえ、お願いだから・・・。