「制服、違うんですけど」
ひらひらのワンピースを
着た神楽が机を叩いた。
…ワンピース姿なのに…
何で男の無理な女装にしか
見えないんだろうか。
そんなこと言ったら、
僕はこの場で天に召されるからやめとこっ。
ただでさえ今の神楽は
殺気立ってるのに…。
僕らの目の前には、一人の先生。
若くてヘラヘラした感じだから、
学年主任とか一生なれなそうな人。
「えっ?間違えてた?あれ~…採寸のオバチャンのミスだね。まぁ、間違えるのも無理ないか」
「あんたが先生じゃなきゃ、今頃地獄巡りさせてたのに…」
「ん?神楽さん何か言った?」
「…何でもないです!」
いやいやっ
神楽さん、何でもなくないでしょ!
今、普通の声のトーンで
すごいこと言ってたから
相手にも丸聞こえだったから!
「にしても君たち面白いね。姉弟と言うより兄妹だよね!」
ニカッと笑う先生。
さりげなく傷付くから
読みだけで漢字が違う言葉を使って
僕らを表現しないでください…。
