それにしても長い。

キス長いって!


伝えようとすると、啓は少し唇を離してこう言った。


「…やべ、止まんね…。」



「えっ…ちょっ…!!?」






た、た、助けて〜!!!







───…





「なんや、美緒…顔真っ赤やな。」


1階に降りると、お兄ちゃんに言われてしまった。


「徹兄ちゃん、俺ら今まで上におってんから…ね?」



け、啓っ!?


あのあとちゃんとキス止まりやったけど、すごいことをされてしまった。


恥ずかしくて啓の顔もお兄ちゃんの顔も見れません…。



そうして、幸せな日々が続き…



体育祭当日がやって来た。

「おい!何してんねん、はよ来い!」


「待ってやぁ。」




肝心な日に寝坊してしまった。


ありえへん!!



啓も朝は機嫌が悪いから、口も悪い。



私たちは急いで学校に向かった。


「お、ギリギリ遅刻じゃねーな」



教室の前でジャージに着替えた英二が私達2人を出迎えてくれた。



「よ、よかった〜。」


遅刻してたら商品券もらえなくなる所やったし…。


それから啓は男子の更衣室で着替えた。


女子は自分達の教室で着替えるから、今は着替え終わった男子もいるし、着替えられない。


「早く着替えろよ!教室の前で待ってっから。」


「うん…ごめん。ありがと。」


私はみんなが教室を出ていった後、1人体操服に着替えた。