にしても…。



「ほらほら!もっと早く腕を振るの!」


「はっ…はい!」


練習はかなりきついわ…。


渚さんは私がリレーにはしるのを言うと、練習メニューをきつくしたらしい。



「あっ、美緒ちゃん、タイム伸びてるわよ!」



「本間ッ!?」


やっぱり毎日の練習はすればするほど上達するもんやねんな。

この調子だと順調にいけば券がもらえるかもしれへん!



「今日はこれくらいにして、終わろっか。」


「うん!」


タイムが上がった事に上機嫌な私。

渚さんと家に帰ると啓が帰ってきていた。


「ただいま。」

「おう。お帰り。」


ぐー…。



ん?

今の音は…

私のお腹やないで?

と、チラッと啓を見ると…


「あは…腹減った。」


って言って笑った。




最近はお兄ちゃんも渚さんがいるから、仕事が終われば急いで帰ってくる。


だから、夜は賑やか。



4人で色々話して…それでも時々啓は私の部屋に行こうと誘ってくる。

誘われて2階に上がった。

「2人きりなんかいつでもなれんのに。」


私は渚さんが来てても2人きりになりたがる啓をクスリと笑った。


「うっせ。お前かていつでも2人きりになれんのに、券が欲しいんやろ?一緒や。」


それもそうか。


「啓はさー、去年どんな感じやったん?」

私がいかなかった去年の学校泊まり。


「んーとな、英二と奈々と一緒におったわ。あと、クラスの奴等とゲームしたりとか?あとはー…」


話し出したら止まらないくらい色々するみたいや。


「ええなぁ。楽しそう。」


「あ…言っとくけど、俺といる限りはこういうことも学校でするからな?」


と、啓は思い付いたように言うと私をベッドに押し倒した。


…へ?

学校で…?



どういうこと?

こういうことって?



混乱する私に啓はキスをした。


強引にされたかのように思ったけど、そのキスはすごくすごく優しかった。


啓から幸せがいっぱい伝わってくるような感じがする…。