次の日…


私は啓が先生に呼び出しされて、いなくなったから1人で学校内を歩いていた。

ただのトイレ帰りやけど…。



廊下の曲がり角を見ると、鈴ちゃんを見つけた。


「…。」


もう、啓を第一に考えるから。



私は鈴ちゃんに睨まれたが、無視して歩いた。



だいたい、よかったねって祝福してくれてたんやないん?

本当は私たちの事なんか応援も祝福もしてなかったくせに…。


ほんと、萩原おばさんそっくりや。





「ちょっと、どこ行くの?」


鈴ちゃんの横を通ろうとしたら、道を塞がれた。


「教室戻るだけやから。どいて。」

押し退けて行こうとした。


「まってよ。何で怒らないの?そんなんじゃ、本当に風岡先輩取るよ?」


…なにそれ。



「すでに手出してるくせに。説得力ないで、鈴ちゃん。」



「うるさい。」


「よかったなんて思ってないなら、最初っから言わんでええやん。」



そう言って私は間をすり抜け、教室に戻った。



突っ掛かるのもあかんし、年下やからなぁ…。


教室には啓が戻ってきていた。



「あ、美緒どこおってん!?探したんやで。」


…数分いなかっただけやん。


大げさやなぁ。


…嬉しいけどさ。



「カッコいい彼氏を持つと大変です!」


啓に面と向かって言ってやった。


少し頬を赤くした啓はこう言った。


「それ…褒めとんか?大変やって事か?」



「んー…、両方です!」

「なんでやねん。」



仲直りした後やからかわからんけど、すごく啓といる時間が楽しい。


「あらあら、ラブラブじゃないですか〜。」


「本間な。」


うわ、奈々達とさっ君!?

な…なんか恥ずかしいー…。



「美緒ちゃん、もう仲直りしてもたん?」


「…え、うん。」


「あーあ、残念や。啓から奪い取れるチャンスや思たのに。」


えぇ!??



「ぅおい!!何ちゅーこと言うねん!」


啓がすかさず会話の中に入ってくる。