「ん?なに?」


「あ…やっぱなんでもないわ。」



「え?どうしたん?」


「何もないって!」



な…なんじゃそら。


とりあえず、渚さんに会わな解決せんよな!


家来てくれるまで待とう!





それから3日後…



「今日こそはいてくれないと困るで渚さん…。」


啓も部活復帰で一緒に帰らなくなった。


それどころかお兄ちゃんたちを気にしすぎて、まともに啓とゆっくりできていない。




「はぁ…。」


早く解決せんかな…。






と思って前を向いた時、家の前に立っている人…。


「あ…。」



先に気付いてくれたのは







渚さんやった。

「渚さん!やっと来てくれた!」


私は喜んで渚さんのもとへ駆け寄ったんや。


「忘れ物を届けにきただけなの…、これ、徹に渡しといてもらえる?」


え…?


「渚さん…お兄ちゃんに会いに来たんやないん?この前やって話すために来たんやろ?」



「…。」



私の言葉に渚さんは黙ったまんま。


言い過ぎなのかもしれへん。

しかも、渚さんにはいつもの元気よさが感じられへん。






ガチャ…



「美緒ー?居るんか?」


え!?

お兄ちゃん!!?
何で帰ってきてるん!?




「あ…。」


渚さんは突然弱々しい声を出した。


「川村…。」


え!?
渚って呼ばへんの!?



「わ、忘れ物、届けにきただけなの。すぐ帰るわ…。」


「え!?渚さん!!」


渚さんは鞄から出していた袋を私に渡して走り出した。


「待って、渚さん!」



私は持っていた袋を地面に落として、渚さんを無我夢中で追いかけた。



「…。」



カサ…



私が走っていった後、お兄ちゃんは袋を手にとった。






────…