ガチャ…


やけに静かだった。

「おい、誰か起きてるんか?」


シーン…



起きてへんのか?

俺はリビングのドアをおもいきり開けた。


バン!!



「…。」


なんだこれ。



俺の目に映ったのは、昨日よりもっと酔っているバカ達だった。


よく周りを見渡すと、そこら中にビールの缶がころがっている。



俺はズカズカとバカ達に歩みより、大声で怒鳴ってやった。



「オイ!人ん家で何してんねん!!さっさと起きろや!!!」



失礼すぎるやろ…!!



「う〜ん…七奈美さ〜ん。」


は?



バカの1人がそう言って俺の足にしがみついてきた。

「何寝ぼけてんねん!」

俺は七奈美さんちゃうわ!

七奈美さんって誰やねん!


俺は男や!!





ガチャ…



「ちょ…啓!?何怒鳴ってんの?」



げっ…美緒!?


美緒はなぜか家に入ってきて、俺とバカ達を見るなり、こう言った。



「お兄ちゃんの友達なん?」


「み、見たいやけど。」



すると、美緒の声に反応するかの様にもう1人のバカが美緒に飛び付こうとした。



「もしかして妹ちゃ…」


グイ!



俺は急いで美緒を抱き寄せた。


「さっ…触んな酔っぱらい!!」