やっぱり徹兄ちゃんだった。

なんかだるそうやな…。

酔っぱらったあとみたいな…。



「昨日…高校の同窓会があって…。」



…やっぱり。

夢やなかったんや…。


美緒の後ろにいた俺に気づいた徹兄ちゃんは、眠そうに笑った。



「啓…昨日、迷惑かけてごめんな。」



「ええって。」


あんだけ潰れてたのに、記憶あったんやな。


「どんだけ飲んだん!?」


美緒が心配した顔で徹兄ちゃんに聞く。


うわ…

徹兄ちゃんズルー…。


俺かて心配してもらいたい!


「ああ、生ビール1杯飲んだだけやねんけど…。」



えぇ!?

たったビール1杯!!?


「お兄ちゃん、お酒弱すぎや。」


そう言って美緒は徹兄ちゃんを家の中へ入れた。


「あれ?徹兄ちゃんだけ?」

「他の奴らはまだお前ん家におるわ。」



まじで!?



「えっ?他の人って!?」


美緒が不思議そうに俺達の会話に入ってきた。



まずい。

美緒には関わって欲しくない。



「他にも数人おったんや。俺、その人達見てくるわ!徹兄ちゃんは寝ててええよ。」


と言って徹兄ちゃんがいる方向に振り向くと…



「スー…。」



もう寝てるやん!!



俺はそのまま家を出た。