「どうしたん…?」


「あ…いや、別になんでもないわ。変な夢見たみたいや。」



なんや…夢か。



「変な啓ー。」


「は!?怖い夢みたかもしれない彼氏に対する反応がそれ!?」


ちょいひどいわ…。



「何でやねん。啓が怖い夢?あははっ!面白い冗談やなぁ。」



はぁ!?


そりゃ怖い夢でも何でもなかったけど!


「日頃の俺に感謝の気持ちがそんなもんかよ。」


俺は少しムッとして、拗ねた。


そしたら美緒は焦り出す。
顔に出さないように美緒も意地張るけど、分かりやすいねん。



「なっ…何でそうなるんよ。それとこれとは別やんか。」


焦ってる焦ってる。

そんな美緒を見て、楽しんでる俺も人の事いえへんな。



あ!


そうや。

いいこと思い付いた。


「んじゃ、今示してや。」


俺はわざと美緒のおでこに自分のおでこをくっつけた。



「な…何を?」

そんなんも分からへんのかいや。


「俺をどんだけ好きかってこと。」



そこまで言うと、やっと理解したらしい。



「な…何で。」


「いいから。ほら…。」


そう言って俺は意地悪剥き出しで目をつぶった。


これはキスしろっていう合図。