「へー。昨日あんなに頑張って言った俺に対してそんな事言っちゃう?」


意味ありげな笑み…。


「チューはちゃんとしてや!?」



いくら大事にされててもこればかりは無くなると耐えられない。


「はぁ!?んなもん、俺出来んくなったら死ぬわ。」




チュ…





「ちょ…またこんな所で!!」


「誰もおらんって。」


そうかもしれんけど…。




そうしてしばらくすると、奈々と英二も戻ってきたから、観光へと出掛けた。

ついでにお土産も買って帰ることになり、私は啓の横で悩んでいた。



「うーん…お兄ちゃん達には買ったけど、鈴ちゃんと南の分はどうしよう…。」

「あいつらなら、何でももらってくれるんちゃう?」

「そうかぁ。あ!さっ君の分は?」

「はぁ!?」

突然声をあらげた啓。


「え…どしたん?」

「なんやねん。佐久間にまであげんのか!?」



「え…だって友達やん。」

「でもさ…。」

それっきり黙り込む啓。



…さっ君は禁句なんかな…。




「じゃ、皆にちんすこう買って帰ろ!」

「おお!それええやん!!」

結局、皆に配れるお土産となった。


啓…一人一人にあげる話がなくなったとたん、元気になったような…。