「ちょ…っと……啓っ!?」

私は必死に抵抗するけど、びくともしない。



すると…


♪〜





啓の携帯の着うたが流れた。


「啓、携帯!!」


「…ちぇ。いいところ邪魔しやがって。」



そう言って立ち上がり、携帯を耳にあてる。


「はい…。…は?何やねん!違うわ!!」


な…何なんやろ。

啓はかなり拗ねてる。



「はよ諦めろや!アホ!」


誰と話してんの…?

言葉遣いがヤバいよ…啓…。




「もうええって!しつこいなぁッ!切るで!?」



そう言うと啓は勢いよくボタンを押した。


切んの早っ!!


フンッと鼻を鳴らして私に近寄ってきた。

座り込んでいる私の隣に座る。




「だ…誰からやったん?」


恐る恐る聞くと、チラリと私を見る。

そして小さくため息。


何で私を見てため息つくねん…。



私は少しムッとしながら啓を見た。


「佐久間や佐久間!!」


へっ!?

さっ君!?


さっ君とは、私たちとクラスが一緒の男の子。



「な…何で?何の用事やったん??」


「"なんか邪魔せなあかん気がしたんや"とか言い出した!」



「確かにナイスタイミング!!」


「そういう問題ちゃうやろ。」


笑いかけやけど、まだ拗ねてるらしい。