「美緒?」

啓にいきなり顔を覗かれ現実に引き戻される。


「大丈夫なんか?…お前。」

「あ、うん!全然!」


かなり心配してくれてるみたいな啓の顔。


「ごちそーさま。」

「んじゃ、今日はひとまず疲れただろうし、寝るか。」


奈々と英二が部屋に戻ろうとする。



「「え!?」」



啓と私の声がハモる。

今の私達を2人っきりにしないでー!


奈々に無言の助けを求めたが…


パチリ★


またウインクされた。


ちがーう!
そういう意味やないのにー!!

置いてかんといてー!!



「お休みぃー。」



奈々達は居なくなってしまった。


「…。」

「……。」



私達は少しの間話さなかった。


やば…相当緊張してるわ。
啓の顔見られへん。



すると沈黙に耐えられなくなったのか、啓が喋った。

「…俺ら、どないする?」

「…どうしよう。」



戸惑う私を見た啓は、ため息混じりに立ち上がった。

「俺らも部屋戻ろ。」

手を差し出される。


その啓の表情はいつになく余裕がない顔やった。



「うん。そやな。」

私は啓が何かに不安を感じていると解釈し、笑顔で緊張をほぐすように返事をして手を取った。




カチャ…


「今日は楽しかったなぁ…。」

「おう。ビーチバレーはヤバかったな。」

「あれ、啓も英二も本気になりすぎやもん。」