奈々とバッチリ目が合う。

パチリ★

奈々のウインクが飛んできた。



…うわ…。

今日は寝られなさそう。




奈々の言葉がまた頭に浮かぶ。



私達にはまだ早いやんな?

啓を盗み見たら、顔が少し赤い。

…まさか…なぁ。


そしてエレベーターに乗り、段々と部屋が近づいてくる。


心臓いたい…。

どうしよう、いつも通りでいれるやろか…。



「んじゃ、後でねー。」

「おう。」


奈々の声に啓が応答する。

どうしよ

どうしよ


どうしよー!!

2人っきりになってもたしー!!



───────
──

カチャ…



フワッとホテルの匂いがする。


「うわぁ!!」

「きれーやな。」



その部屋を見た瞬間、私は今までの緊張なんか忘れてた。


「啓!これすごいキレーやで!?」

私は啓の腕を引っ張った。

「うわっ!なんやねん、緊張してたんちゃうんかい…。」

この啓が言った言葉は、はしゃぎすぎている私に聞こえていなかった。


ベランダの方に近づいて、ドアのカーテンを開ける。
するとそこには三日月が浮かぶ透き通った海が一面に広がっていた。


「美緒…。」

突然の啓の声に現実に引き戻される。



「ぅえ!?な、何?!」


まずい…、声裏がえってもた。
緊張してんのバレる…。