「あはは。ばばくさいだってさ。」

英二も横で笑ってる。


奈々は不貞腐れてフロントで部屋のカードキーと番号を聞いている私に駆け寄ってきた。


「美緒、あんたの彼氏失礼しちゃう!」

「ぶっ!!」



私はこらえきれず吹き出してしまった。


啓の管理は私の仕事か…。

「英二も彼氏なんだからフォローしてよー。」

奈々が続けて言う。


部屋のカードキーは2つ。


「はい。」

私はフロントから離れて、持っていたカードキーの1つを啓に渡した。


「「「え?」」」



「ん?」


皆から「え?」と口を揃えて言われた私はビックリしてみんなの顔を見渡す。


「なんで啓に渡すんだよ。」
英二に言われた。



「え…だって…。」


なんで?

男女で別れるんやないん?

「美緒ほんっと鈍感だね〜。啓が可哀想に見えてきた。」

笑いながら言う奈々。



啓がため息をつく。

「英二達の邪魔する気か?お前…。」

そう言って持っていたカードキーを英二に渡す。



それから私の肩に手を回す。

「え…。じゃあ…。」

「そ。俺と同じ部屋や。」



耳元で言われてビクッとしてしまう。



…う、うそやん。

どうしよう…




こんなん予想外や!!