それから英二を見る。

その時にはニコニコ顔は消えていた。



うわ…啓

本気や。





啓の目は真剣さを増していた。

英二も少し本気出してるしなぁ。



「ち、ちょっと2人ともマジになりすぎじゃない?」

横から奈々が口を挟む。


「…。」

「…。」




それでも、変わらない雰囲気。

ビーチバレーに本気とか…。





はたから見るとなんか…なぁ。




「来いや。」


啓が言うと同時にボールが勢いよく飛んできた。


それを受けてやり返す啓。

段々点差が縮まり、私達と奈々達とが同点になった。


「んじゃ、そろそろタイム終わるから、これで最後な。」


英二がそう言った。



「オッケー。」



と言ってニヤッと笑う啓。


私達のサーブから始まった。



英二が受け取って、また返してくる。



それを私が高く上げた。






啓がボールを高い場所でとらえて、そのまま長い腕を勢いよく振り落とす。