そしたら

啓は私の目の前で踏みきって空に手を伸ばして高く高く跳んだ。




バシィッ!!!






「うっ…。」


あ、今英二が怯んだ。

てか、すごいやん!
カッコいい…。



ガッツポーズをしながら私に笑顔を向ける啓。

そんな些細な仕草ひとつでもキラキラ。


「啓…すごい…今の、英二より強かったで。」

「フフン。惚れ直したか?」

「うん!」




「へ?」


啓は何故かいきなり顔を真っ赤にする。



「え?」


私はこの時に自分が勢いで「うん!」と言ってしまったことに気付く。



うわーっ…


段々恥ずかしくなってきた。


「あっ!啓っ…ボー!!」

ボスッ!!


「いってー。」




遅かった…。


注意がそれてる間に英二のサーブが啓の顔面に直撃した。



「うわー、ごめん、啓!」

慌てて英二が謝る。



「…。」

啓は黙ったまま震えている。



「え?啓??だ、大丈夫?」
心配になって顔を除き込んだら、こう言われた。


「勝ったらご褒美な」


はぁ!?



ニコニコやし…。