「あ、これ旨そっ!」


啓は置いてある試食品を次々と口に運ぶ。


あれ、高校生に見えても、中身は小学生以下やんか…。



英二は飾れてある観光地の写真を見ている。



私は特にすることもなく、お店の入り口に置いてあるものを見ていた。


奈々はまだなんかなぁ…。


私は振り返って奈々を探した。



そしたら…






あれ?


あの人…何処かで……。



人混みの中、歩いている1人の女の人を見つけた。



名前も知らない人だけど、何処かで見たことがある。

…誰だっけ…?



もしかしたら人違いかもしれんけど…

私は近寄ろうと足を動かした。



「お待たせ!」



ビクッ




奈々が私の横で嬉しそうに立っていた。


「ややこしいの、任せてもてごめんな?」


私は奈々に謝った後、はっと気づいて後ろを振り返った。






…いない……。


さっきまであそこにいたのに…。



気になっていた女の人は何処を見渡しても見つからなかった。




「どうかした?美緒。」


奈々に呼ばれ、ハッとする。



「あ…ううん、なんでもない。」



「そう?ならいいけど。」



それから奈々は男2人を呼んだ。