「我慢しとったのに…。」


「え?」



私は思わず聞き返してしまった。

我慢…してたん?




あぁ…顔が熱い。



「し、しょーがないやんか。」



「俺…。」


「…何?」



「や、やっぱ何でもねぇわ。」



「なんやそれ。」



それっきり、啓とは飛行機に乗った事でテンションアップして、たわいもない話やお笑いネタで盛り上がった。



前の奈々と英二はぐっすり眠っている。

朝早かったもんなぁ。

私と啓は眠さも吹っ飛んでいた。



『まもなく着陸しますので、安全のため─』


機内にアナウンスが入る。


飛行機に乗るのは初めてではない。


啓の両親に会いに行ったりするときは乗るから。

でも着陸の時はなぜか緊張する。



「なんや。もう着くんか。」


啓はかなりくつろいでいた。


着陸できたのか、周りのお客さんはぞろぞろと下り始める。


奈々と英二も起きたらしい。



「んじゃ、行こっか!」



全員荷物を持って機内を出た。



それから那覇空港でいろいろややこしい手続きを奈々がしてくれている間、私達はお土産屋さんを見回っていた。