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──…



「…ぃ、…啓っ!」



「ん…。」


あれ…?

ここ…家?



俺は何がどうなっているのか分からなくて、キョロキョロ辺りを見渡した。


「啓…ぉ、起きた…。」


「え…?」


隣にいる美緒は何故か涙目や。

「…なんで泣いてんねん。」


しょうがない奴やなぁ。


俺は美緒の頭を優しく撫でた。



「だって…啓がた…おれたっ、て言う…からっ。」


鼻をすすりながら言う美緒。


そうや!

あの後、俺自分のした事にショックを受けて気絶したんやっけ。


「啓が倒れ…たなんか滅多に、ないからっ…」



…たしかに。

俺結構見かけによらず、タフだからなぁ。



「ごめん、心配かけたな。」


お詫びっちゃあ、なんだが、

俺は美緒のおでこにキスをした。


まぁ、…少し恥ずかしかったけどな。


ガバッ!




!!?!?









俺は一瞬何が起きたのかわからなかった。

けど、俺の胸に美緒の頭があったから、美緒が俺に飛び付いてきたのはわかった。




「え…どうし…。」


「………。」


俺が聞いても返事しない。
それよか、美緒は頭をすりよせて甘えてきた。



…なんか…猫みたいやな。


美緒の鼓動の音…?

なんか…安心するな…



言葉がなくても、美緒の気持ちや伝えたい事がひしひしと伝わってきた。


外は寒いけど、心はポカポカになる…


ずっと…






こうしていたい…









こうして、体育祭の後のお楽しみは幕を閉じ…



ベッドに寝転がったまま、啓君達は、お互いの心地よい体温を感じながら、眠りについたのです。