「うわっ!俺かよ〜!!」

「啓は分かりやすいねん。絶対ジョーカーはお前が持ってると思ったわ。」


「は?調子のんなよ佐久間!」


商品券がもらえたクラスメートでトランプのババ抜きをしていた。


俺はたった今、佐久間に見抜かれて負けた所。


みんな俺等のやり取りを見て笑ってる。


「負けたんやから、啓には×ゲーム!!」


「えー…俺今日のMVPやろー…?」


あんだけ本気で走ったのによー…。



俺は佐久間の意見に反論するが、他のクラスメートにも押されて、しぶしぶ×ゲームをすることにした。


「で、×ゲームって何すんだ?」


さっさと終わらせろよなぁ。


んでから美緒とイチャついたるねん!



今回の俺の目的はもちろん、美緒や。

「そんなん決まってるやんけ」


異様に楽しそうに微笑む佐久間。


…なんやコイツ…

気持ち悪ぃ。



とか思いつつ聞く。


「なんやねん、もったいぶらずにはよ言えや。」


「美緒ちゃんには半径1メートル以上離れてないといけない×ゲーム!!!」


「はぁ!?」

「うぇ!?」


俺と美緒は同じタイミングで吹き出した。


…は?

何言ってんねん、こいつ。


「いやや。」


今回一番の楽しみをもぎ取られそうになった俺は、只今若干キレかけや。


やから、キッパリ断ったった。


でも…


「あかーん!×ゲームやる言うたからにはしっかりこなしてもらわなあかんで。」


「クソッ、はめたなお前!」


「あの…私も違う×ゲームにした方が…。」


おお!

ナイス美緒!
さすが俺の彼女!!


「美緒ちゃんには悪いけど、これは俺と啓の問題やねん。今回だけ我慢して?ね?」