愛のない世界

昔々、彩香は恋に落ちた。


それは彩香にとって、初めての恋だった。


最初で最後の恋だと、彩香はそう思っていた。


本物の愛だと思ったから…


本物の愛だと信じていたから…


これ程までに人を愛するコトなどないと、彩香は思ったから…


彩香自身、愛に溺れていたのだ…


彩香の前から、愛は永遠に消えないのだと信じていたから…