愛のない世界

こんなにソバに居るのに、もっともっと近くで感じていたくて、いつまでもいつまでも、一つになっていたくて、でももどかしい気持ちは収まるコトはなく、絶えず打ち寄せる。



幸福せの次に、必ず不幸がある様に、彩香もまた同じ様に、幸福せな愛の結末には、不幸が待ち受けている様に、どこか心の片隅で、それはいつなのかと怯えていた。



この幸せを、どこか素直に受け止めるコトが出来なかった。



彩香には、“未来”という二文字をこの男と描くコトも、歩むコトも出来ないのだと分かっていたからだ…


しかし彩香は、現実を受け入れられるには、まだ幼稚過ぎて残酷な運命に翻弄されながら、ただただ怯えるだけだった…