愛のない世界

鎮まるコトの知らない欲情は、激しく烈火の如く燃え盛っていた。


消しても、消しても、絶頂は次々と熱情を帯び、揺るがしながら狂い咲く。


紅炎の花は、奥に秘められる炎の疼きへ、二人を甘美な世界へと誘(いざな)うのだった。


波打つ情炎は、尚も二人を炎の渦へと招き入れた。