私に恋を教えてくれてありがとう【下】


「どれだけの後悔をしたか……――――――!!!

 伝えきれない……。


 伝わらない……。



 だってそうでしょ?昔のあなたにそっくりな彼女を見て、牙をむき出しにした女よ?

 あなたの家庭が崩壊してしまえばいいなんて気持ちが蘇ったわ……!!

 ……でも、またすぐに後悔をすることになってしまった……。


 そして……私が崩壊したのよ……」


夫人は吸いかけの煙草を、灰皿に惨めに潰した。



「……あの……」


華子は、缶を両手でかたく持ち、震えを隠すのに必死だったし

昔の様に、恐ろしい目で締め付けられそうで身を縮めていたのだが

心許ない自分を奮い立たせ、ゆっくりと視線を夫人へと向けた。


夫人はまんじりともしなかったのであろう、酷い顔つき

昔とは違い、さほど目力もなく思え

華子は、苦さと痛みを味わった。