私に恋を教えてくれてありがとう【下】


「そして、私との間に新しい命が生まれて……あの人……

 大事にしてくれたわ……。


 でもそんなのもつかの間で……


 あなたが結婚して、病院を辞めるという噂が彼のまわりを取り巻いた。

 伝えたのは勿論滝瀬よ。

 直接あの人と連絡を取ったんですって。

 それが、あとの祭りよ……


 あの人は狂った。



その先は……あなたがよく知っているわね……」



夫人の瞳は、華子の顔でもなく、足元でもなく、その中間をただ無の表情で見つめ、

何か言いたげな口元を、きゅっと結び

どこか哀しげに思えた……。