「きっと……中絶の費用と、水子供養の分だろうね」


淳一郎が呑みこんだ言葉を、そらは涙声で言い

消印のない封筒を見詰め、鼻を啜りながら一番新しい手帳に手をつけた。

それはだいぶあたたかい内容が綴られていて、華子は祐樹と結婚し、懐妊して

あっという間に、そらを出産していた。


それは、勿論、梅の花の頃……。