華子は自分の手が変色し、 気血が悪くなっていることに気づいた。 「金井さん!」 華子はその力に抗ったが 金井は変わらずにんまり笑い続け 華子の中で厭わしさがにおってきた。 こんなときに限って職員は誰一人と通らない。 華子は金井の握力と他の何かを感じながら 周囲を目端でうかがった。 声や気配はあるものの ここはちょうど廊下突き当たりを曲がった場所で どうやら死角らしい……。 そんな華子の様子をご満悦に眺めながら 金井は口を細く開いた……。 「“華子ちゃん”……」