私に恋を教えてくれてありがとう【下】

「だから!!


 華子が私のことを


 “あなた”と呼んだので」




華子は目を白黒させた。




「まるで……


 夫婦の様な……」



口ごもる牧田とそれを聞き石化した華子。




……華子の記憶はここでいつも靄(もや)に包まれ

専ら聴覚が利かなくなるのだ。


両手で耳を塞いだ感覚というのが近いだろうか。



頬を赤らめ“夫婦の様”と軽々しくも口走った彼をどんな目で見ればいいか

どんな感情を持てばいいのか

ただただ麻痺するのだ。




そして華子の意識は餌にかかった様に強引にもどされた……。


五徳や何かの加熱音

極め付けのガマ女の前へと……

あるキーワードをつり下げ戻ってきたのだ。