私に恋を教えてくれてありがとう【下】

私はいつからこんなにも燃える恋心を抱いていたのか……。


牧田が金井から助けてくれたから?


あの一瞬で?




華子はわかっていた。


もっと前から

もしかしたら初めて関わった日からかもしれない。



あの眼差しに吸い込まれ

それを愛でる自分を押し殺していたのだ。




でも、そんな非人道的な恋は今までの経験にはないし


むしろ、そういう類の恋愛を華子自身酷く軽蔑していた。



自分が高校生の頃

ある友人が二股をかけたことに対して

猛烈にしかりつけたことがあったのを鮮明に思い出した。



……私は本来地に堕ちたのだ。


なのに何故だろう。



それを幸せに感じ

興奮を得ているのだ。


再確認する度

華子の中の生き物は威力を増す様だった。



まだ足りない、


もっともっと欲しいと大いに喉を鳴らすのだ。