私に恋を教えてくれてありがとう【下】

嗚呼……

私は自分にとって大切なものを壊したというのに


何故こんなに幸せなのか


恐ろしくもどこかで悦っていたのだ。


華子の中の生き物は

酷く満足げに喉を鳴らし

既におかわりを求めている様だった。



はやく先生の顔を見たい。


はやく声を聞きたい。



目が合わなくても

言葉を交わせなくてもいい。




……そばにいたい……



想いを張り巡らせ

華子は正直にも足早に

先輩を差し置き

外来へと向かった……。




吹くのは春風。

香るのは穏やかな陽の光。

漂わせるのは恋心。