私に恋を教えてくれてありがとう【下】

雨雲は吹き飛ばされ

なんともうららかな日和。


華子は更衣室でいつもの様にささっと

ナース服に着替えようと

袖を通し


ファスナーを一気に上げるところだった。



しかし、半分で手がとまった……。


華子は自分の胸元にそっと手をやると

自分のいたるところに愛撫を施した

彼の皺のある温厚な手



甘く荒い息遣いを思い出し


身体が熱くなった。



「顔赤いよ?大丈夫?」




華子は息をのんだ。



「は……!花岡さん!

 おはようございます!」



先輩が至近距離で華子の顔を覗き込んでいたのに全く気がつかなかったのだ。



華子はますます上気し、両頬にもろ手をぱっと添え

赤みを隠そうと試みた。



「な~んかいいことでもあったの?

 いやらし~!!」



花岡はにたにたと華子を小突いた。




「いやいやいや!!

 滅相もないですよ!

 不幸まっただ中です!」



二人はふざけ合った。