私に恋を教えてくれてありがとう【下】

こんなにも


張り裂けそうなくらい心臓が大きく感じ

それが細い体の中を

倍速で暴れているのだから……。



胸に二十日鼠でも住み込んだ様な感じだ。



そこから頭部へ

大量の血液が送られ

華子は自分の顔がひどく熱いのを感じ

いうことをきかない鼠を手で抑え込んだ。


滝瀬はほくそ笑みわざと快活に言った。



「……あら!

 ごめんなさいね?

 そんなに緊張しないでいいのよ?


 ただー……」


彼女はまたバックに手を突っ込み、

続けた。



「とりあえずこれを見ておいて欲しくて」





片手に収まる程度の

黒っぽい皮素材のものを印籠の様に

出した。





予期せぬ事態。




思わず肩をびくつかせてしまった。




手帳だった。



「取り締まりをしているの」



滝瀬は今までで一番のにんまり顔を見せた。