私に恋を教えてくれてありがとう【下】

しかし強く絡んだものは

とてもあたたかかった。


何故が冷え切った四肢を


包み込み


まるで魔法の様に

荒れた呼吸を整わせた。



華子はその手に抗することなく

うっすらと響く声にただ従順となった。



華子は自分が先ほどより暖かく

やわらかい

姿勢の確保出来る場所に安置されるのを

うっすらとした意識の中で感じた。




それはどこか知っている香りで


あたたかい……。





途切れることのなく

心地よく響く低い声と

視界がゆっくり

時間をかけて克明になっていった。




まだ息は荒々しいが

華子はやわらかなシートに

身体を委ね

口に紙袋を当てられていて

自分の呼気をすわされていた。



今は何故か自分でその袋を当てていた。



華子のやわらかく弧を描いた睫毛には


涙粒が装飾されていて



華子は瞬きをし それをひんやりと感じた。