華子は頻繁にしゃがみこむ様になっていた。
診察介助をしている最中(さなか)
胃が焼けるのを感じ
毎日頓服薬を服用していた。
しゃがみ込む姿を見るなり師長が
気の持ちようよ、金平糖を薬だって渡したら治るわよ
と皮肉っていたと
同期の師長嫌いから聞いた。
やはり師長と滝瀬が繋がっている。
そう思う度
今までの惨憺たる自分の醜悪さが身に沁み入り
早く夢から覚めたいという
淡すぎる希望の念が溢れそうになる。
しかし、華子は気丈でいることにした。
奴らの思うつぼというのは絶対に避けなければいけないと
華子は心に決めていた。
それが華子の正義だった。
華子の新しく構築された“倫理”だ。
これが今の華子の守るべき道徳。
しかし地盤は緩い。
ぬかるみに構築されたものは
崩れやすい……。
でも今の華子には立派な梁がある……。
診察介助をしている最中(さなか)
胃が焼けるのを感じ
毎日頓服薬を服用していた。
しゃがみ込む姿を見るなり師長が
気の持ちようよ、金平糖を薬だって渡したら治るわよ
と皮肉っていたと
同期の師長嫌いから聞いた。
やはり師長と滝瀬が繋がっている。
そう思う度
今までの惨憺たる自分の醜悪さが身に沁み入り
早く夢から覚めたいという
淡すぎる希望の念が溢れそうになる。
しかし、華子は気丈でいることにした。
奴らの思うつぼというのは絶対に避けなければいけないと
華子は心に決めていた。
それが華子の正義だった。
華子の新しく構築された“倫理”だ。
これが今の華子の守るべき道徳。
しかし地盤は緩い。
ぬかるみに構築されたものは
崩れやすい……。
でも今の華子には立派な梁がある……。

