どうも彼女はここの常連らしい。
学生の頃はよく
“いつもの!って言って頼みたいね”と百合と話たりしていたが
この滝瀬という人間を見てしまった今
常連客の厭わしさしか感じない。
よほど地域に密着した店以外は
一期一会の間隔で訪れる方が
店にとっていいのではないだろうかと
脳の端で考えていた。
この店はマンションの一階を利用しているため
窓はなく、出入り口の引き戸だけでしか
外の暗さ、激しさを窺うことが出来ない。
出来れば目の前に居るこの女を観察したくないが
他に目を置く場所が見当たらないのが残念で仕方ない。
とりあえず世間話を聞いている間は
顎の周りの吹き出物の数を
数えることにした。
「ここはケーキも美味しいのよ?
コーヒー遅いわね……
まま?ままー!!
コーヒー忘れてないわよねー?」
滝瀬は身を乗り出して先ほどの若いウエイトレス向けて
馴れ馴れしいおかま声を張り上げたが
今度そそくさと出てきたのは
滝瀬と同い年程の“まま”と呼ばれている人だった。
学生の頃はよく
“いつもの!って言って頼みたいね”と百合と話たりしていたが
この滝瀬という人間を見てしまった今
常連客の厭わしさしか感じない。
よほど地域に密着した店以外は
一期一会の間隔で訪れる方が
店にとっていいのではないだろうかと
脳の端で考えていた。
この店はマンションの一階を利用しているため
窓はなく、出入り口の引き戸だけでしか
外の暗さ、激しさを窺うことが出来ない。
出来れば目の前に居るこの女を観察したくないが
他に目を置く場所が見当たらないのが残念で仕方ない。
とりあえず世間話を聞いている間は
顎の周りの吹き出物の数を
数えることにした。
「ここはケーキも美味しいのよ?
コーヒー遅いわね……
まま?ままー!!
コーヒー忘れてないわよねー?」
滝瀬は身を乗り出して先ほどの若いウエイトレス向けて
馴れ馴れしいおかま声を張り上げたが
今度そそくさと出てきたのは
滝瀬と同い年程の“まま”と呼ばれている人だった。

