私に恋を教えてくれてありがとう【下】

こうして振り返ってみると

刺激的な幸せはあったのかもしれないが

本来求めている形との違いに

不平不満、貪欲さが浮かび上がり

そして

牧田の不徹底さのせいで

日に日に華子の防衛は厚くなり

腸がどんどんと沸点へと上昇していっていた。



新しく構築されたものの中に

以前崩れ去ってしまった筈の

鉄壁な道徳が生き残っていたに違いない。



微かに生きながらえて

今息を吹き返したようだ……。